autonoetic
2020

[現在に身を置きながらも、過去や未来、事実ではない想像上の状況に思いを巡らせること。]

長い時を経て風化した家の一部、海の荒波に揉まれて丸くなった木片。
その個性豊かで唯一無二の風貌を見ていると、かつての持ち主の輪郭や、物が見つめてきた景色が浮かぶ。
“この物たちはもしかしてこんな景色を見ていたのかもしれない”
物が見せる長い時間の移り変わりと、一瞬を留める写真との、それぞれの時間の織り目。

本作では、写真を出力する支持体に、海岸に漂着するベニヤ板やトタン、古民家を解体した際に出る古材を使った。
これらの素材の共通点は、“かつて誰かの持ち物であり、ここではないどこかにいた” ということである。

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